ぐっぼる クライミング講座

クライミングの歴史 II

〜日本の岩、そして「ぐっぼる」がここにある理由〜

ぐっぼる クライミング講座 第II部
講師:由井辰美(クライミング歴30年以上)

クライミングの歴史 II — goodbouldering.com
ぐっぼる クライミング講座

第I部のおさらい

第I部では、世界のクライミングが240年かけて枝分かれしてきた話をしました。

  • 1786年モンブラン=「登るために登る」誕生
  • ビッグウォール/フリー/ボルダリング/沢登りへ分化
  • パタゴニアもノースフェイスも、出発点はだった

第II部は、その物語の日本側
そして最後に、私(由井)がなぜ「ぐっぼる」を作ったのかを話します。

クライミングの歴史 II — goodbouldering.com
ぐっぼる クライミング講座

第1章

日本のクライミングは「登山」から独立した

クライミングの歴史 II — goodbouldering.com
ぐっぼる クライミング講座

1980年代:登山の一部門から、スポーツへ

日本では長らく、クライミングは登山の一部門という認識でした。

  • 1980年代後半、**強固な確保支点(ボルト)**が普及 → 安全性が向上
  • これにより「スポーツクライミング」というスタイルが定着
  • 登山とは一線を画す、独立したスポーツとしての色が濃くなる
  登山の一部(〜1980s前半)
        ↓ 安全な支点の普及
  独立したスポーツ(1980s後半〜)  ← ここで日本のクライミングが変わった

ポイント:日本でも世界と同じく、「安全に挑戦できる仕組み」が文化を一気に広げた。

クライミングの歴史 II — goodbouldering.com
ぐっぼる クライミング講座

日本の聖地:花崗岩のエリアたち

日本のフリークライミングを育てた、象徴的な岩場。

エリア 特徴
城ヶ崎(静岡・海岸の岩) 黎明期フリーの中心地。**1987年「シーサイドカップ」**開催
小川山(長野・花崗岩) 日本フリークライミングのメッカ
瑞牆山(山梨・花崗岩) 高難度ルートの聖地。2015年「千日の瑠璃」開拓
  • 1987年シーサイドカップ:男女合わせて約50名。当時最大規模のコンペ
  • 自然の岩場が、競技と文化の両方を育てた

固有名で岩場を語れるようになると、登りの世界が一気に広がる。

クライミングの歴史 II — goodbouldering.com
ぐっぼる クライミング講座

第2章

ジムが、日本のクライミングを爆発させた

クライミングの歴史 II — goodbouldering.com
ぐっぼる クライミング講座

数字が語る、ジムの爆発的普及

日本のボルダリングジムの増え方は、世界的に見ても異常です。

国内ボルダリングジム数
2008年 100軒未満
現在 500軒以上
  • わずか十数年で 5倍以上
  • 「山に行かなくても、駅前で始められる」アクセスの激変
  • 日本のジムは課題(ルート)の質で勝負する文化 → 初心者〜上級者まで対応

この波の中に、ぐっぼるも生まれた。
ジムの普及は、ただのブームではなく入口の民主化だった。

クライミングの歴史 II — goodbouldering.com
ぐっぼる クライミング講座

世界に挑んだ日本人クライマーたち

日本は今や、クライミング競技の世界トップ国

  • 平山ユージ1998年、ワールドカップで日本人初の総合優勝。2000年にも総合優勝。日本クライミングを世界に知らしめた先駆者
  • 楢崎智亜2017年 世界選手権ボルダリング 優勝。五輪世代の象徴
  • 東京2020以降、日本人選手は世界の表彰台の常連に

かつてヨセミテに憧れて海を渡った世代がいて、
今は世界が日本人選手を追いかけている。

たった数十年での逆転劇。これが日本のクライミングの底力。

クライミングの歴史 II — goodbouldering.com
ぐっぼる クライミング講座

第3章

ヨーロッパ・アメリカ・日本 ——三者三様

クライミングの歴史 II — goodbouldering.com
ぐっぼる クライミング講座

同じ岩でも、登り方の「思想」が違う

第I部の日欧比較を、アメリカも加えて整理する。

ヨーロッパ アメリカ 日本
象徴 アルプス4,000m級 ヨセミテの一枚岩 沢・花崗岩の岩場
核の思想 征服・初登攀 自由・フロンティア 自然との一体・修行
独自種目 キャニオニング(下る) ビッグウォール 沢登り(登る)
  • 西洋=「人 対 自然」、日本=「自然の中に入る」
  • どれも正解。全部を体に入れた者が、一番深く登れる

ぐっぼるが世界中の岩を登るのは、この三者の視点を全部持つため。

クライミングの歴史 II — goodbouldering.com
ぐっぼる クライミング講座

第4章

なぜ「ぐっぼる」は、ジム+ショップ+カフェなのか

クライミングの歴史 II — goodbouldering.com
ぐっぼる クライミング講座

ぐっぼるの正体:3業態の統合

世の中のクライミング施設の多くは「ジム単体」。
ぐっぼるは違う。3つを1か所に統合している。

   ┌─ ジム   … 登る・上達する場
   ├─ ショップ … 道具を選び、揃える場
   └─ カフェ  … 仲間と語り、文化を交わす場
        ↓
   「登る前・登る・登った後」が一つの場所で完結する
  • ジム単体・ショップ単体・カフェ単体の競合は多い
  • だが3つ揃った店は希少。これがぐっぼるの唯一性
クライミングの歴史 II — goodbouldering.com
ぐっぼる クライミング講座

なぜ統合したのか:歴史が答え

第I部から続く歴史を思い出してください。

  • クライミングは道具の進化とともに育った(→ だから本気のショップが要る)
  • パタゴニアもノースフェイスも、仲間との語らいから生まれた(→ だからカフェが要る)
  • そして登る場所=ジム

登るだけなら、ジムだけでいい。
でも「クライミング文化」を渡すなら、3つ全部が要るんです。

ぐっぼるは"施設"ではなく、"文化の渡し場"として設計されている。

クライミングの歴史 II — goodbouldering.com
ぐっぼる クライミング講座

ぐっぼるの強み=オーナーと岩

強み 中身
クライミング歴30年以上のオーナー 由井辰美。世界の岩を登ってきた視点で発信
世界の岩を知るスタッフ 机上ではなく、実際に登った経験
3業態統合 登る・揃える・語るが1か所で完結
本店経由でしか得られない情報 オリジナルのシューズ評・ホールド検証
  • グレード(V0〜V17 / 5.6〜5.15)も、岩場の固有名も、技名も、ごまかさず本物を渡す
  • 初心者に媚びない。でも、初心者を本物の入口に立たせる
クライミングの歴史 II — goodbouldering.com
ぐっぼる クライミング講座

まとめ:あなたは、日本のクライミング史の「今」にいる

時代 日本で起きたこと
〜1980s前半 クライミング=登山の一部門
1980s後半 安全な支点普及で独立スポーツ化
1987 シーサイドカップ(約50名)
1998 平山ユージ WC日本人初優勝
2008→現在 ジム 100軒未満 → 500軒以上
2017 楢崎智亜 世界選手権優勝
あなたがぐっぼるで登っている
クライミングの歴史 II — goodbouldering.com
ぐっぼる クライミング講座

ようこそ、文化の渡し場へ

あなたの1手が、日本のクライミング史の続きになる

第I部・第II部、ご視聴ありがとうございました

ぐっぼる / goodbouldering.com

クライミングの歴史 II — goodbouldering.com